9月20日(水)老人保健施設アルボース(群馬県、伊勢崎市)にてARTRIPを実施しました。
スタッフダイアリー

9月20日(水)老人保健施設アルボース(群馬県、伊勢崎市)にてARTRIPを実施しました。

 7月に東京の京王プラザホテルで東京青年医会の早朝勉強会で講師としてお話させていただきましたが、その時に講演を聞いてくださった三原先生が経営される老人保健施設アルボースにて、当施設入居者の認知症当事者3名と、通所の方一名とご家族、10名の方を対象にARTRIPを実施させていただきました。 アートリップは当事者だけでなく、ご家族や介護士さんも一緒に楽しめるプログラムです。アルボースは、館内にも大きな絵画が展示されており、また日頃から音楽療法や臨床美術を療法に取り入れていらっしゃるということでその為の専門の職人の方もいらっしゃるので、傍についてくださり、私も心強かったし、大変助かりました。

 本企画は、国際アルツハイマー月間の特別イベントなので、大きなホールで、地域の方が20名ほど見学される中で実施されました。
私がこの夏2週間半過ごした北欧の花の写真を見ていただき、アイスブレークの後、北欧の二人の作家、へれん・シャフルベック「快復期」と ヒルマ・アフ・クリントの抽象画を見て頂きました。一枚目に関しては、男の子か女の子かで意見が分かれたり、彼がどこか寂しそう、一人で生け花をしている。ここ子は寒いのではないか、などいろいろな観察からのコメントが出ました。二枚目は、よくわからない、という意見もありながら、風船が沢山飛んでいる。これは種だ、希望の発展だ、人類の歴史を描いているなど、ご家族からも多様な意見が出て盛り上がりました。

普段は、歩いているところしか見たことがないというお二人も50分くらい椅子に座ってほぼ最後まで参加し、スクリーンの絵画に集中して私の問いかけにちゃんとこたえていらっしゃいました。また、デイサービスに通っていらっしゃる女性も、認知症とはいえ、最後までしっかり自分の意見を述べられていていつもは喧嘩ばかりしているという一緒に来られた息子さんと仲良く一緒に帰られました。

以下、アルボースの介護看護部の川田さんが、御礼状の中にプログラムを終えてお部屋に帰られた後参加者の方々が話していることを書き留めておくってくださいました。とてもイキイキとした感想なので、共有させていただきます。数日たった今、詳細は忘れてしまっても絵を見たことは覚えていて楽しかったとおっしゃっているそうです。

①Fさま
 帰って来ちゃうと忘れちゃうけど、お花も絵も大好き。絵は見るのが大好き。とてもいい時
間でした。
②Aさま(Fさま娘)
 おばぁちゃんがちゃんと答えられていて驚きました。とってもヒヤヒヤしていたんですよ。
③Yさま
 すごいよ!上手く表現できないけど、ただただ感心して見てたよ。なんて答えたらいいのか
、、、知識が浅いからうまく言えないけど、楽しかった。
④FTさま
すごく綺麗な絵とか見れてよかったよ。本当に良かった。頭が空っぽだからあんまり長く覚
えられないけど、良かった。帰って来ちゃうと上手く言えないね。その場にいないとね。明日
また行けば思い出して上手く言えるかな?
⑤Hさま
 とってもステキな時間でした。あぁやって見るのもいいですね。感想を言い合っていろんな
意見があってどれも正解と思えちゃう。本当にありがとね。
参加した皆さんの感想を伺っていると、認知症の皆さまにとって特別な時間を共有したとい
う思いが見受けられます。施設に戻り同じ棟のご利用者が上記感想をお互いに頷きながら言っ
ていました。私どもは、FTさまとFさまは耐久性が低いため座っていられるか不安でした
が、予想を超える参加時間で驚いています。
この体験は記憶として心に残ることと思います。認知症なので詳細は忘れてしまうかも知れ
ませんが、穏やかな時間を他の人と共有できた体験はきっと今後の生活によい影響をもたらす
と感じています。

また、本企画は上毛新聞が取材して翌朝記事として紹介されました。
 

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