高齢になっても、認知症になっても、人は喜び、楽しみ、幸せを感じながら生きることができます。
本シンポジウムでは、医療・保健・福祉と芸術をつなぐ「芸術の社会的処方」に焦点を当て、日米の先駆的な実践を比較し、その意義、効果の捉え方、社会実装の可能性を考えます。
Speakers
登壇者
※ 2026年8月現在の確定登壇者です。登壇者は今後追加される予定です。
ピーター・J・ホワイトハウス
Peter J. Whitehouse, MD, PhD
ケース・ウェスタン・リザーブ大学 神経学部教授(MD-PhD、心理学専攻)。神経学に加え、精神医学・神経科学・心理学・看護学・組織行動学・認知科学・生命倫理学・歴史学など、複数分野を横断して研究・教育に携わってきた。研究テーマは「物語的想像力(narrative imagination)の力を通じて、個人と社会の健康と叡智を育む、革新的な臨床・学習環境の創出」。ダニー・ジョージ氏との共著『The Myth of Alzheimer's: What You Aren't Being Told About Today's Most Dreaded Diagnosis』(2008年、セント・マーチンズ・プレス)でも知られる。脳の健康と加齢を心理・社会・環境の総体として捉える"ecopsychosocial"の視点から、芸術と健康の関わりを研究している。妻とともに、多世代が共に学ぶ革新的な都市公立学校「The Intergenerational School」を創設した経験も持つ。
アルデシール・Z・ハシュミ
Ardeshir Z. Hashmi, MD, FACP
クリーブランド・クリニック老年医学イノベーション冠教授/老年医学センター長。パキスタンのアガ・カーン医科大学で医学を修めた後、イェール大学で博士研究員、イェール大学関連セント・メアリーズ病院で内科研修・上級研修(主治医)を経て、マサチューセッツ総合病院で老年医学の臨床・研究フェローシップを修了。同院シニアヘルス・老年医学部門の医療部長を経て現職。「高齢者人口のヘルスケアと、手頃な価格で使えるテクノロジーの接点」を関心領域とし、複数の診療科を連携させて高齢者の健康ニーズを共同管理するチーム医療を推進。同センターは同氏の指導のもと「高齢者対応医療システム(Age-Friendly Health System)」認定や全米誌での高評価を獲得している。米国内科医学会(ACP)フェロー、米国老年医学会 患者優先ケア委員会共同議長。Social Prescribing USAアドバイザーも務め、臨床現場で芸術の社会的処方に取り組む。
藤井 昌彦
Masahiko Fujii, MD, PhD
仙台富沢病院・山形厚生病院統括理事長/東北大学加齢医学研究所客員教授(臨床加齢医学研究分野)/東北大学医学部臨床教授。弘前大学医学部・同大学院卒。認知症の情動療法(喜びに満ちた環境づくり)を専門とし、負の感情状態を喜びの感情へと転換させる関わりを重視。演劇的介入、IoTを活用した療法、笑いヨガ、絵画鑑賞、バーチャルツアーなど多様なプログラムを通じて前向きな感情反応を引き出す独自の指標「Delightful Emotional Index(DEI)」を開発し、薬物療法に頼らない症状緩和のアプローチを実践してきた。現在はARTRIPの効果を、ヒューマンセンシング、音声解析、AI等を用いて科学的に検証している。
林 容子
Yoko Hayashi
一般社団法人 Arts Alive 代表理事・ARTRIP創設者。日本人として初めて米国コロンビア大学大学院でアートマネジメントの学位を取得し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)での経験から着想を得て、帰国後、対話型鑑賞プログラム「ARTRIP」を開発。「絵の前では、あらゆる人が平等」という理念のもと、国内の美術館・医療・福祉施設等で実践を重ねてきた。2009年にArts Aliveを設立し、対話型鑑賞のほか、企業向けアートコミュニケーション研修、ファシリテーター養成講座など、アートと社会をつなぐ活動を展開。現在、芸術の社会的処方の日米比較研究と、日本の地域包括ケアにおける社会実装に取り組んでいる。
Keyword
社会的処方(Social Prescribing)とは?
医師や専門職が、薬や治療だけに頼らず、地域の人や活動、芸術・文化、自然、運動などの非医療的な資源を「処方」し、孤独や社会的孤立、意欲の低下などを改善し、心身の健康と生活の質の向上を目指す仕組みです。
Why Now
超高齢社会に、
新しい選択肢を。
高齢期の課題は、病気や身体機能の低下だけではありません。孤独や社会的孤立、意欲の低下、生きがいの喪失など、薬物療法だけでは解決できない課題があります。
いま世界では、芸術、自然、運動、地域活動などの非医療的な社会資源を、健康やウェルビーイングを支える手段として医療・福祉につなぐ「社会的処方」(Social Prescribing)への関心が高まり、これらを既存の医療やケアの仕組みの中で実装する試みが始まっています。
日本には、医療と介護、地域の生活支援をつなぐ地域包括ケアシステムがあります。では、この仕組みの中に「芸術の社会的処方」をどのように組み込むことができるのでしょうか。
Four Questions
考えるべき4つの問い
誰がつなぐのか
誰が必要な人を見つけ、芸術活動や地域資源へつなぐのか。
何を届けるのか
どのような芸術やプログラムを選び、その人らしい参加を保障するのか。
どう確かめるのか
効果と質をどのように評価し、検証していくのか。
どう続けるのか
誰が費用を負担し、持続可能な仕組みにするのか。
本シンポジウムでは、米国と日本の先駆的な実践と研究を手がかりに、「芸術の社会的処方」を、日本の医療・介護・地域包括ケアの中でどのように社会実装できるのかを考えます。
「病気を治す」だけでなく、
「その人がよりよく生きること」を支える社会へ。
芸術の社会的処方の可能性を共有する
日本の地域包括ケアにおける実装の道筋を探る
政策提言につなげ、継続的な仕組みづくりへ
Event Overview
開催概要
- 日時
- 2027年2月20日(土)
13:00〜17:30
- 会場
- 国立新美術館 講堂〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
- 定員
- 200名定員になり次第、受付終了
- 言語
- 日英同時通訳付き
- 参加費
- 医師:6,000円
一般:3,000円
- 主催
- 一般社団法人 Arts Alive
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