およそ70,000人。認知症の方の記憶を呼び起こしたアートコミュニケーションプロジェクト。



アートリップとは、アートを通した時空の旅。
グループでアートを見て、進行役のアートコンダクターの質問に答えながら参加者が感じたこと、思ったことを自由に発言、共有する「対話型アートプログラム」です。認知症の方と家族と一般の方が対等に一緒に参加することができます。
プログラムに参加することで自尊心が高まり、うつが軽減、QOLが向上します。美術館、高齢者施設、カフェ等で定期的に実施しています。

ロゴデザイン
2025PROJECT 福井崇人 クリエイティブディレクター 
2025PROJECT 齊藤智法 ディレクター

BEGINNINGARTRIPのはじまり

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プログラムを始めるきっかけは2011年のNYにさかのぼります。
高齢化にアートが与える影響について先端事例研究を続ける中、恩師の紹介で、NYの近代美術館が認知症の方とその家族、介護士を対象にギャラリー内で実施しているmeet me at MoMAというプログラムを視察する機会に恵まれました。
そのプログラムを視察したときの衝撃は今でも忘れることができません。

閉館日の静まり返ったギャラリーで進行役の匠な質問に促されるように、椅子に座った認知症高齢者の方々がときに笑顔を見せて、活き活きと感受性豊かに絵を見て感じたこと、想像したことを自由にコメントしていました。
そして、自然と参加者たち(視察している私も含め)は、絵と自分たちを関連づけていました。

例えばシャガールの「私と村」では、絵に描かれていることから始まり、人間と動物の関係や絵に描かれている作家の故郷の村と自分の故郷との違いについて聞かれたり、会話を続けるなかで自然と絵の本質に気付くようになっていました。
1時間半で5枚の絵を見たのですが、あっという間の時間でした。

単に絵を見て何が描かれているか、漠然とどう思うかという質問だけでなく、絵に関連して過去の記憶を呼び戻したり、また、絵からそこに描かれていないものや物語を想像させたりする手法はとても新鮮でした。
エデュケーターと呼ばれる案内人は、認知症を患っている高齢者だけでなく、そこに一緒にいる家族にも、そして視察している私にも時に質問を投げかけ、コメントを引き出していきました。コメントする彼らの反応を見て、私の中の認知症の概念は完全に覆りました。
正直、彼らが認知症とは信じられませんでした。

どうして絵の前では、彼らはこんなに気億を呼びおこし、素直に自分の気持ちをスラスラと答えることができるのか。
これがアートの力なのか・・・!!
私の頭の中は感動とともに衝撃でその場を理解できずにいました。プログラムの終わり、参加者たちは、エデュケーターに感謝の言葉を述べながら談笑していました。感動した私の目からは自然と涙が出ていました。

「これはなんて素敵なプログラム。」
日本の認知症高齢者や家族にもこのプログラムを届けられたら」と強く思いました。

CONCEPTARTRIPとは

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アメリカ、80の美術館で感動を呼び起こしている、認知症のある方との対話型アート鑑賞プログラム。

アートが持つ色、形。そしてそこから汲み取ることのできる物語…。
それが認知症のある方の健全な能力を 引き出すことに作用する、
という観点からニューヨーク近代美術館(MoMA)が開発した「対話型アート鑑賞プログラム」。
日本で唯一、 MoMAの全面協力を得ることにより、
名作、傑作と言われている絵画を目の前にしながらのプログラムを実現しました。
全世界115の美術館で、70,000人以上の認知症患者とその家族の心を揺さぶった新たな希望が、ここにあります。


多様な表現を持つアートとの知的で刺激的な出会いは脳に刺激を与え、参加者のQOLを向上させると同時に今まで経験したことがないコミュニケーションの場となります。アートを見て感じたことを言葉にして参加者同士で共有することは、体験者の言葉を借りれば新しい発見の連続であり生きる張り合いをもたらします。
創造性を刺激し、コミュニケーション能力を高める「アートリップ」は、認知症の方を始め、子供から企業人まで、幅広い層に向けて効果のあるプログラムとなっています。アーツアライブでは、2011年1月にブリヂストン美術館でのプログラムを皮切りに美術館、高齢者施設、企業人対象の交流会などでプログラムを実施し高い評価を得ています。

ABOUT6分でわかるARTRIP

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薬では、治せないことを。

薬では、治せないことを。

「アートは脳のチョコレートだ」と言った医師がいます。
アートのやさしい刺激が脳に働きかけ、やがて能力が引き出され元気を取り戻していきます。

少人数で絵画をみながら、話し合っていく。

少人数で絵画をみながら、話し合っていく。

「この絵には、何がかかれていますか」
プログラムは、絵をみながらエデュケーターが質問するスタイルで進んでいきます。

1つの絵画が、掘り起こしてくれること。

1つの絵画が、掘り起こしてくれること。

エデュケーターのひとつの質問が新たな発見を生み、そして次への発見へ。
突然「自分が昔みた絵だっ」と言った方がいます。ご家族も想像できない一瞬が広がっていきます。

「昔の、お母さんの顔になった」

「昔の、お母さんの顔になった」

このプログラムを終えた直後に家族の方がおっしゃった言葉です。
あのとき何を感じ、何を思ったか…。そこにいる家族もあの頃へ一緒に戻っていきます。

アートの効果が臨床的に現われています。

アートの効果が臨床的に現われています。

医療機関の元、軽度認知症でうつ傾向の方26名に3ヶ月間対話型のアートコミュニケーションを実施しました。
その結果、うつの軽減と単語記憶力の改善が見られました。

鑑賞場所は、美術館、介護施設など。ご自宅へお伺いすることもあります。

鑑賞場所は、美術館、介護施設など。
ご自宅へお伺いすることもあります。

認知症のある方、そしてご家族、介護の方も一緒に参加することができます。
プログラム実施時間はおよそ1時間。少人数によるグループで絵画を4〜5点鑑賞していきます。
※ご自宅への場合は、場所、時間、料金などをご相談の上うかがうことになります。

6分で理解できる、6つのARTRIP

VENUES主な実施場所

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美術館

国立西洋美術館(National Museum of Western Art)、国立新美術館、パナソニック汐留ミュージアム、ブリヂストン美術館、オペラシティーミュージアム、東京ステーションギャラリー、埼玉県立美術館、アーツ前橋、National Gallery of Singapore 他

高齢者施設・認知症カフェ

港区オレンジカフェ、グランダ岡本里安邸(ベネッセスタイルケア)、北区立桐ヶ丘やまぶき荘、社会福祉法人 カメリア会、ACafe ええカフェALL(横浜)、サンヴィアーレ弥生台(損保ケアネクスト)他

EVIDENCEプログラム効果

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国立長寿医療研究センターによる認知症予防、鬱軽減効果の検証

(平成25年度経産省補助事業)

大府市民からランダムに抽出された MCI かつ うつスケール5以上 の高齢者 76名を対象に3ヶ月(2013年11月 ~ 2014年1月)間、各グループに分け、プログラム体験前後の『ランダム比較試験』と『T検査』を実施しました。

グループ
<アートグループ>週1回 ARTRIPとアート創作ワークショップを体験(それぞれ12回づつ)
<対象グループ>1回限りの健康講座を体験

アートグループには、うつの軽減と単語記憶力の改善兆候と以下の行動変化がみられました。

・好奇心、物事に対する姿勢が積極になった。
・立候補して自治会の役員になった。
・外出が増えた。人 との会話が増えた。
・参加者同士で友人となり得意でない人とも笑顔で話すようになった。
・毎朝の散歩の景色が変わって見えるようになった。

PROGRAMARTRIPのプログラム

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美術館プログラム

NY近代美術館(MoMA)が実施しているプログラムに基づく、認知症とその家族のための対話型の鑑賞プログラム。

美術館プログラム

>美術館プログラム詳細はこちら

施設プログラム

特別養護老人ホームなどの施設内で実施する認知症とその家族、及び介護士が一緒に受けることのできる双方向性アート鑑賞プログラムです。

施設プログラム

>施設プログラム詳細はこちら

人材養成プログラム

アーツアライブではARTRIPを日本において普及するために、アートエデュケーター養成のための各種コースを開講しています。

人材養成プログラム

>人材養成プログラム詳細はこちら

VOICEプログラム参加者の声

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杉本欣哉
若年性認知症当事者
杉本智穂
Acafe ええかふぇALL
(若年性認知症カフェ)
あみけるひろば横浜共同代表
認定アートコンダクター

アートリップは被介護者と介護者が同じ空間でアートを通して同時に喜びを得ることができます。そして、介護者である自分は、それまで物陰に隠れて観察するような冷たい感覚から自由になりました。生活にハピネスを持ち帰り色々なことをかんがえてる事や会話していて楽しいなとあらためて夫のことが好きになりました。

豊住美江
社会福祉福法人 春献美会 介護事業部統括責任者

一緒にアートを観賞していますが、いつも認知症の方の発想力、想像力、発言力の豊かにおどろかされています。私達はプライドか邪魔をして、言葉を選んでしまいがちですが、認知症の方々は思いのままを言葉にする。それが実に素敵。

湖山泰成
湖山医療福祉グループ 代表
順天堂大学 客員教授
広島経済大学 特別客員教授
千葉商科大学 特命教授

ルノワール、モネのような絵を、ゆっくりと丁寧に語り合うことは、美術館めぐりが好きな私自身にとっても、新鮮なやすらぎの経験でした。治療行為に限定せず、幼児でも、誰でも、健康予防として、社会に拡がることを期待します。

佐藤雅彦
日本で最初にアートリップを体験した
日本認知症ワーキンググループ共同代表

絵画を見て、感じたことを言葉にするので感性が磨かれ、脳の活性化によく、今まで忘れていた感情を呼び起こし、気持ち良い気持ちになるのです。すばらしいプログラムだとおもいます。固定観念にとらわれず、自由な発想で感じられるのでやっていて楽しいです

若年性認知症参加者S氏

アートを見て言葉にして表現することが脳の活性化につながることを学びました。
また周りを気にせず感想を言える雰囲気が良かったです。

大手企業新規事業開発部長

ARTRIP(アートコミュニケーションプログラム)を通して、企業が抱える創造性、ダイバーシティー、チームビルディングなどの課題を取り扱うことが可能だと思った。また、日本の企業人が考えることの少ないWHYとWHATについて考える機会を提供する貴重なプログラムになっている。

ケアマネージャー

私が担当するお客さま(認知症患者)が2名参加していました。今回参加したプログラムを通じて彼らの新たな一面をみることができました。Aさんは人前で話すのが苦手な方でしたが、アートエデュケーターの助けを借りながらご自分の意見をしっかり表現することに驚きました。またBさんがアートを前にして真剣に考えている姿は普段とは違って新鮮でした。

池平撤兵、作家

本当に素晴らしかったです。こんなに感動的な一日になるとは思ってませんでした。白昼夢の中にいたような気分です。昨日は僕の作品がこれまでで最も活かされていると感じた日でした。それが凝った展示ではなくただ会議室に並べただけというのも衝撃的です。良い絵を描けばそれを活かしてくれる人がいるというのは凄く大きな制作意欲になります。

MESSAGEメッセージ

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アートで、高齢者の思考力を!

平成25年度経済産業省の地域ヘルスケア構築推進補助事業においてアーツアライブとの共同研究で、高齢者に対するアートの効果を検証した。そこで認知症の危険因子であるうつ状態の改善においてアートプログラムの効果が確認された。高齢期に低下しやすい視空間認知や思考力を向上するためにアートが持つ潜在的価値は高いと考えられる。

国立長寿医療研究センター 島田 裕之

心にエネルギーを与える。

ARTRIPは、精神を活性化し、心にエネルギーを与えるプログラムです。加齢に伴う、そしてあらゆる年齢の様々な種類の認知障害を伴うすべての人にとって、非常に素晴らしいものです。

ピーター・ホワイトハウス

ピーター・ホワイトハウス

アーツアライブ代表 林 容子からのメッセージ

アーツ(美術・音楽・ダンスなど)の力を通し、すべての人に日常では味わえない新たな感動を届け、創造する喜びと生きる活力を得てもらう。つまりARTでALIVE(活き活き)させることを目的に生まれた「アーツアライブ」。そのひとつの活動がARTRIP(アート コミュニケーションプロジェクト)です。脳の眠っている部分が刺激され、記憶がやがて蘇ってくる…。薬では治すことのできない認知症において、新しい可能性がアートから生まれています。私は、たくさんの方に実際にお会いし、そして感動的な場面に幾度となく出会っています。人が生きる喜びを、そして生きている実感をぜひ、体験ください。
一般社団法人ArtsAlive 代表理事林容子
一般社団法人ArtsAlive
代表理事 林 容子

家族の方へ

ご本人の記憶がよみがえった時、あるいは元気になられた時、ご本人と同じ以上に喜ばれるのが家族の方です。表情が次第に変わっていく、声に自信が感じられるようになっていく、眼に力を感じられるようになっていく…。
待ち望んでいた一瞬、一瞬が目の前で起こっていく…。そんな体験をぜひ、していただきたいと思っています。

介護士/介護施設の方へ

アートに描かれている色や形は、認知症のある方にとって非常に識別しやすいもの。つまり、簡単で、わかりやすい素材をベースににしていることがアートコミュニケーションのポイントです。また、元気な頃にはアートに親しまれた方も多く、そういう方にも、より積極的に参加していただけるプログラムです。ふだんの介護の中では題材として取り上げづらいアートだからこそ、実際に体験していただければ、そのよさを実感していただけると思います。