ARTRIP®のプログラムを実際に見学させていただいたのが受講のきっかけです。 プログラムに参加されている認知症の方が、笑顔で語られている姿をみて、アート(絵画)の持つ力を実感しました。
立場,心情の違う人通しが、同じ視線で語り合える、そんなコミュニケーションの場作りにも参考になると感じました。絵を観ること自体は、以前より好きでしたが、体系的に学んだこともなく、基礎知識の無さから受講前はプログラムについていけるか少し不安でしたが、非常に興味深く学ぶことができました。受講生通しのつながりもプログラムの進行とともに深まり、たくさんの仲間ができたことも、良かったと思います。現在は、エデュケーターとして活動させていただていますが、準備段階から毎回新しい発見があり、自分自身、楽しみながらプログラムを実施しています。勿論、プログラムの主役は参加者の皆様であり、プログラム終了後に「ありがとう」「とても楽しかった」「次はいつやるの?」などの言葉をいただくと、とてもありがたく、また嬉しく感じます。アートは、美術館などにあってたまに「鑑賞」にいく高尚なものではなく、日常の中にあって日々の生活を豊かにできるものだと、エデュケーターの経験を通じて、思いを強くしています。
美術史を専攻して修士もとったものの、これまでは美術の翻訳でしかその知識を還元できていませんでした。そのことも自分の中では不満要因でした。
でもアートコミュニケーションでこれまでの知識や見てきたものの集積をアーツアライブの皆様や一般の高齢者、認知症の方々と共有できることに喜びを感じています。もっともっと喜んでいただけるプログラムを開発して、パフォーマンスも改良しながら、地元での実施の開拓もしてみたいと思っています。
傾聴ボランテアとして高齢者施設で活動しておりましたが年々「認知症」の方々が増えてゆく事に心を痛めておりました。
そんなとき、この講座に出会い第1期生として学ばせて頂きました資格をいただいてからは5分と落ち着いて会話ができなかつた認知症の方々と30分、50分とアートを通して会話が出来る喜びに、又御家族や施設のスタッフの驚きと感謝のお言葉を頂いております。この「アートエデイケーター」の資格は私の「宝物」になりました。
私は元来絵画等には縁遠い人間で、美術館に行く習慣など全くありませんでした。極僅かに超名作を写真等で知っている程度で、その他の知識は皆無です。
その私がARTRIP®に参加して変わりました。作品を観るおもしろさにに気づかされたのです。時代背景、作者の意図、表現の工夫。。一つ一つに視点があることに驚かされ、 以後作品を見る目が少し変わってきた様に思えます。 どうして描きたいのだろう、何を表したいのだろう、案外意味は無いのかな、など。 この年になって、楽しみを見つけて頂いた思いがします。
エデュケーターとして 『ARTRIP®は認知症者の方々のものだけではありません。健常者にも幼児にも悩める大人にも、すべての人に働きかけます。そして気づかされます。そんなARTRIP®の広がりを夢見ています。』
同じ絵を使用しても、参加者により反応は様々で、場の雰囲気が変わる事を実感しま した。
また、毎回参加者の目が急に輝き出す瞬間や終了時に「楽しかった。」と握手を求められたり介護者に「いつもあまりお話ししない方がよくお話しになっていた。」という感想を伺うとエデュケーターとしての喜びとより良いプログラムを提供できるよう研鑽を積まなければとの思いを強くします。

飛座 治美さん
10期中級講座受講
Q:認定アートコンダクターとしてどんな活動をしていますか?
地元のアートリップでのコンダクター、また、職場や地域へアートリップ周知活動を主に行っています。Q:講座で学んで活かされていることは?
介護職についており、常々利用者様の「尊厳」を第一に考えて仕事をしています。忙しく制限の多い仕事中、そのことを思い出させてくれるのが、アートリップです。
これまで当たり前だったことを、忘れたり、出来なくなったりして、不安を持ち傷ついている参加者様。 そんな皆様が、お元気な頃の面影を覗かせ、意欲的な言葉を発し、心からの笑い声を上げて、充実した時間を過ごされます。
そして、回数を重ねるごとに成果があり、喜びの記憶は忘れられることはありません。それにより、ご家族や介護者である私達が、再び寄り添う気持ちを持てるのです。
対話型鑑賞法は、介護のどんな場面でも応用可能と実感しています。
Q:今後の展望をお聞かせください。
まずは、沢山の方にアートリップを体験して頂けるように、職場や地域で活動しています。今後は、屋外で彫刻を鑑賞したり、最近取り上げられている漫画の原画展などにも挑戦したいと考えています。
中級講座を修了し、アートコンダクターに認定された方の声をご紹介いたします。
小祝 路子さん
7期中級受講
私は今アートコンダクターとして、アートリップ(絵の旅)の実演練習や、新規の高齢者施設開拓のお手伝い等の活動をしています。
まず養成講座の中で重要だったのは、コミュニケーションスキルです。アートリップは絵と参加者を、私たち進行役(コンダクター)が結ぶ対話型のアートプログラムです。そのために仲間とチームを組み進行役となったり、参加者と歓談したり、あらゆる処でコミュニケーション術が必要です。振付師香瑠鼓先生の“想像して表現する”授業も、進行役として即興性や表現力を培う点で重要でした。
もう一つ大切なのはアート作品です。絵の旅が終了した後参加者は“楽しかった” “昔を思い出した”と語ります。絵の本質に迫り、共有できた嬉しい瞬間です。そこで私たちは広大な絵の本質・背景を学ぶ必要があります。林先生の、一枚の絵の身近な疑問から読み解き、時代や社会背景の関心に導く美術史は、背景のみを学ぶよりわかり易かったです。
私は今迄辛い時に側に寄り添ってくれた絵画に恩返しの気持ちを込めて、今度は対話でより多くの人に魅力を伝えていきたいです。
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大谷 こずえさん 9期中級受講 |
「観音様がみえる」これは、モネの「サン・ジョルジュ・マッジョレー 黄昏」を観たときの90歳のおばあちゃまの言葉です。ベネチアの修道院の島をみて言われたこの言葉に感動しました。いろいろなことを忘れても思い違いをしても絵を観て感じる心は、なんら変わっていないのです。むしろとぎすまされているかもしれません。
母の通う小規模多機能のデーサービスでアートリップ活動を始めて早1年半。私のことは、忘れても絵を観て自由に発することはスムーズになっています。
認知症を発症した母のその進行を少しでも遅らせたいと思い取得したアートリップコンダクターの資格です。絵を観て発せられる皆さんの言葉をうかがうのが楽しくなってきました。
1枚の絵をじっくり観る。感じる。発言する。気が付く。
そんなことを繰り返しながら一緒に楽しんでいる自分に気が付きます。健やかな老後のささやかな楽しみ、そして脳の活性化につながればいいと思っています。「アートリップ」アートを旅し、楽しい老後を支えます。
アーツアライブ認定 アートコンダクターは、アートを介して認知症の方と楽しい時間を過ごしています。
アートコンダクター養成講座はアートが好きで、認知症の方とコミュニケーションをとりたい方におすすめの講座です。
Q:講座修了後の認定試験は、
一度で合格しなければならないのでしょうか。
Q:講座を休んだ場合は、
どうなるのでしょうか。
Q:アートコンダクターの認定は
だれがするのでしょうか。
Q:認知症の方以外を対象にプログラムを
することはできますか。
Q:美術史の知識が全くないのですが、
大丈夫でしょうか。

専門知識習得
認知症ケアの専門家による認知症に関する基礎知識を習得
対話型鑑賞法理論
MoMAの最新の対話型鑑賞プログラムに基づき、アーツアライブが日本の美術館や施設での実践を経て得た知見を取り入れた対話型鑑賞法を学べます。実践方法習得
日本におけるミュージアム、医療福祉施設などでの実践方法を習得
日本・西洋美術
日本・西洋美術におけるアートの見方を習得
提携介護施設における
実践練習
アートコンダクター会員制度
認定後、会員になれば会員専用ウェブサイトを通して実施情報、実施報告を共有、その他の会員専用イベントに参加することで会員間の知見を共有しています。アートコンダクター養成講座 初級 |
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初級レベルでは、教材の決められた絵画パネルを使ってプログラムを実施するノウハウを学びます。 受講後は「アーツアライブ准認定アートコンダクター」資格取得者として、認知症の方とその家族と一緒に絵画を見て対話するプログラム(アートリップ)を介護施や認知症カフェ及び自宅にてアートリップを実施することができます。 アートコンダクターの受講(中級講座の受講)にはこのコースの受講が前提となります。
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アートコンダクター養成講座 中級 | |
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プログラムのテーマの設定方法、絵画の選び方、場の作り方を学び、独自企画のプログラムでアートリップが実施できるようになることを目的とします。さらに認知症の方に加え、子供、幼児、うつ病の方等、様々な方を対象にしたプログラムの作り方を学びます。 講座には提携高齢者施設等での現場研修を含みます。さらにアートの専門知識に加え、プロの女優からインプロビゼーションを含む、オープンなアートコミュニケーション、ファシリテーションスキルを学ぶ実践的な講座です。 受講終了後は認定試験を受けることができ、合格者は「アーツアライブ認定アートコンダクター」資格取得者が取れます。さらに適任者はアーツアライブに登録後、アーツアライブ派遣のアートコンダクターとして有償で美術館や施設等でプログラムを実施していただくこともできます。 この講座の受講は「アートリップ講座 初級」の受講が前提となります。
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アートコンダクター養成講座 上級(開講準備中) | |
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認定アートコンダクターで、30時間以上のARTRIP実施時間を持っていることが受講の条件。 |