作品名:

押し花プロジェクト

製作者:

西條知佳 佐藤のり子 立澤弘太

実施場所: 湖山病院

実施期間:

2005/08/3〜9

 

>>作品説明


 

>>プロジェクト後の感想

 押し花を素材とした今回の制作は、素材の特性上夏では花の種類が少なく、準備の期間もほとんど無いといった状況で問題が山積みだった。それでもなんとか準備を終え、予定通りに湖山病院で制作を開始することができた。私達が院内で制作することで、はたして患者さん達が興味を持ってくれるかどうか不安だったが、「押し花」という素材への懐かしさからなのか、積極的に接してくれる患者さんが日に日に増したように思う。押し花のラミネートをするワークショップでは、期待以上に患者さん達やスタッフの方の要望があり、用意しているものが不足してホテルに戻ってから買い出しをし、準備をし直すこともあった。患者さん達に新しい視点を提案することが、私たちの目的だったのだと今、改めて思う。
 今回のプロジェクトでは、あくまでコミュニケーションのツールとしてアートを用いることを主な目的としたが、アートという境界の曖昧な世界から見ると、今回の制作がアートといえるのかは分からない。しかし、私たちの学んでいる分野には、どこかで日常と接してる部分も必要だと実感した一週間となった。(佐藤 のり子)

 私がアートというものに関わりはじめてから、いつも相手が同じだということに気付いたのがアートボランティアをするきっかけになった。
 私は、少し特別なことを、与えられるのではなく、身近な人間と作り上げていくことをしたくて、一般の人といいものはいいと、楽しいものは楽しいと、そういう正直な人間同士の空間をつくりたくて、このプロジェクトに参加した。
 私達の行った湖山病院はアクティブな人達が多く、よく喋る。
 提案したプログラムが押し花でカードを作るというとても細かい、指先を使う作業で、正直不安もあったが皆最初はできない、といいつつも熱中してくるにつれてかなりこったものを作る人や、誕生日祝いにする人など、押し花カードを自分達なりに楽しんでいってくれた。
 私達だけの、形に残るプログラムは押し花で四季のグラデーションをつけた長絵をスタッフ通路におくことだ。暗くて、少し寂しいその廊下には馬鹿みたいに明るい絵よりは、ゆっくり風が吹いて、香るような絵がいい。その作業も病棟でやらせてもらったので、患者さんも少し参加して貰って、いいものができたと思う。
 なによりも湖山病院の患者さんやスタッフのこのプロジェクトに対する姿勢が私達を助けてくれた事を強く感じた。とてもいい経験をさせて頂きました。(西條 知佳)

 誰かのために作品を作る、ましてやそれが公の多くの人に見られる場所に置いていただけるという経験は、これまで一度もないことで、このような経験ができたことを何よりも貴重なことだと思います。
 今までも作品を作るということは、何かしらの意味やメッセージというのを持たせることで”誰か”のためというところはありましたが、今回のように特定の人々のための作品づくりというのは、普段の制作とは違った観点から作品を作る経験をさせてもらったところがあります。自分の考えを人に伝える、というのではなく、見た人が何かを感じてほしいという想いが制作にも出ていたと思います。
 今回、作らせていただいた作品は「押し花」という生の花を使った作品を作りましたが、作品に込められた自分たちのメッセージよりもこの作品を見た患者さんやデイケアの方々やスタッフの方々が感じたことを大事にしてほしいと思っています。
 そして、患者さんやデイケアの方々と一緒にワークショップをできたということも貴重な経験でした。経験不足で自分たちも手探りなところもあってなかなかうまくいかないところもあったけど、作品が完成したときに「ありがとう」とか「楽しかった」という言葉が聞けてホッとしたのと同時にうれしい気持ちになったし、「部屋に飾る」という声も聞こえてほんとうれしかったです。
 また、花をうまく使う人や他の素材とうまく組み合わせる人、お世話になってる先生にメッセージを込めた作品を作っている人など、患者さんたちが作る色々な作品に出会えたのも貴重な経験でした。
 この夏、多くの貴重な体験をさせて頂いたことをありがたく思います。(立澤 弘太 )