作品名:

光の河

製作者:

稲垣伸一 染野剛志 滝口みずき 原田祐介

実施場所: 百恵の郷

実施期間:

2002/08/12-17

 

>>作品説明

 花型のフローティングキャンドルを200〜300個製作する。キャンドルは百恵の郷の入居者と、公開製作という形で一緒に製作する。
製作したキャンドルは、最終的には施設内の池に浮かべ点火する。

 闇に浮かぶロウソクの灯火から、小さい時に見た花火や祭りの光など、光に関する感動の記憶を想起させる。

 

(制作風景)

 

  

 

 

(点火パフォーマンス風景)

 

 

  

 

>>プロジェクト後の感想

 このプロジェクトの成功の要因の一つとしてまずあげられるのは「決めすぎなかった」事だと思う。
つまり「光による記憶の想起」という芯となる目標を打ち立て、あとは現地でのアドリブに近い感じであった。
公開制作の場所も、ディスプレイの仕方も現地で決定した。最初から厳密に計画を練りこむよりも、むしろ現地の人々との会話や現場の空気が作品に、何か偶発的な揺らぎを加えて変化していく様を見てみたかった。
ロウソクの花は、いつしかカエルやアヒル、トウガラシや柿に姿を変えたし、製作者も私たちと入居者であるご老人から、デイサービスの人や、スタッフ、ボランティアの中学生へと拡大し、「光による記憶の想起」が、老夫婦のデートの材料、世間話の茶請けにまで変化した。また「灯篭流し」と解釈し施設内で亡くなった故人を想う人もいた。
 「百恵の郷」は介護施設的にも理想的な環境であったように見えたし、入居者も生き生きとしていて、実際私たちも居心地のよい環境であった。だが、これが非常に劣悪な環境であった場合、今回私たちが行ったプロジェクトがそのまま通用するとは思えない。私たちと作品とフィールドとの関係は全く違うものになるであろう。
今回の成功から得たものを踏まえつつ、新しいフィールドがもつパワーをいかにして作品に取り込んでいくか、その点を考えることが今後アートプロジェクトを行う上で重要になると思う。